絵を描くYuKiNKOのブログCLEVER。make Your Style. keep Your Style. Your World will Be there. Dream Comes True.YuKiNKOが運営するCLEVER。絵とか
YuKiNKOが運営する適当クリエイタ・デザイナYuKiNKOのブログ「CLEVER」。日記・コラム中心に絵・写真・CG等もあるような気がする。
絵とかCG・写真を紹介しつつ日記を綴る、YuKiNKOのブログ
その言葉に少し怖くなり、行くのをやめてまた座った。
ふと、懐かしい雰囲気に包まれた。以前にも一度、この景色を見たことがあるような気がした。
「あたし、ここへ来たことがあるかもしれない。」
「気づいたかい。」
「え?」驚いて思わず聞き返してしまった。
「お婆さん、何か知ってるんですか?」
「ここは、過去と現在(いま)を繋ぐ場所なんだよ。
でも、未来へは行けない。
過去へ戻り、現在(いま)へ帰るだけの場所。」
その言葉を聞いた私は、何かを思い出しそうになった。
子供の泣き声が聞えてきた。
子供が、独りぼっちになって泣いていた。
お婆さんは「おいで」と子供を呼ぶと、より一層優しく微笑み、子供を撫でながら
「そして私の今と、お前さんの未来
お前さんの今と、この子の未来は別のもの。
同じ未来はない。
けど私は、どうしてもここへ来たかった。」
私は初め、その言葉が良く分からなかった。
お婆さんはそのまま続けた。
「私の最後の願いは叶ったようだよ。」
「目を閉じてごらん。」
「見ることはできないけど、描いていくことはできるんだよ。」
ハッとし、お婆さんの方へ振り向いた。
お婆さんと子供がいなくなっていた。
気づくとバス停ではなく、道の脇に堂々と立っている大木の、太い根の上に座っていた。
樹齢数百年はあろうかという、大きな大きな木だ。
その木の横に、季節外れな一輪の向日葵が咲いていた。
真っ赤に染まった夕日が、山の輪郭を撫でている。
道の遠くの方に、見覚えのある古びた駅が見える。
あることに気づき、すっきりとした気持ちで私は、力強く歩き出した。
キラキラと輝く夕焼けが、切ない秋桜の僅かな香りが街へと運ばれていた。
-おわり-
----------
過去へは帰れるが、未来へは行けない場所。
すごく身近に存在しています。